アジア最大のコーヒー国際見本市「SCAJ 2022」レポ

2022年10月12〜14日、コーヒーに特化したアジア最大の国際見本市「SCAJ」が東京ビッグサイトにて行われました。私自身はここ4〜5年参加していますが、今年はここ数年に比べて出展数が多く、来場者数もかなり多いように思いました。YouTubeらしい動画を撮影している人もいて、業界関係者だけでなく幅広い層の人たちからの注目度の高さを感じます。

◆前回(2021年度)のレポ→https://cafe-arukist.com/2021/11/17/tsurezure-139/

昨年参加した時は「コーヒー業界でもサステナブルが進んでいる」、「おうちカフェ需要向けの家電の進化が目覚ましい」という感想を持ったのですが、今回はそこまで大きな革新は見えず、それぞれが少しずつ進化を遂げているように思いました。それでもこれから市場で注目されそうな最新器具や商品も展示されていたので、それについてはこの後詳しく紹介します。

まず、SCAJの全体の雰囲気ですが、会場の一角ではバリスタ日本一を決める選手権なども行われていて、緊張感と高揚感のあるちょっとしたお祭りのムードです。東京ビッグサイトでは一年中様々な見本市が開催されていますが、空気感は少し異質なのではないでしょうか。

ここからは、今回の展示の中で特に気になったものをまとめて紹介していきます。

「コーヒー×DX」として出展していたのは、スマホのアプリで焙煎士と生豆を選んで焙煎を依頼できるサービス「CROWD ROASTER(クラウドロースター)」。ラインアップされている焙煎士は業界で有名な人たちが多く、コーヒー愛好者からすれば憧れの人と言えるかもしれません。アプリを通して焙煎士とのコメントのやりとりもできるとのこと。

1回あたり125gから注文でき、1バッチ分(一回で焙煎する量。焙煎士が使用する焙煎機によって量は異なる)の注文量が溜まれば焙煎します。企業担当者によると、注文から焙煎されるまでは約1ヶ月が目安とのこと。焙煎士側としては普段自社では取り扱っていないコーヒー豆を焙煎することができることや、利用者からアプリを通して直接フィードバックをもらえることがやりがいに通じるそう。

 

昨年度も出展していた、コーヒー豆のサブスクサービス「PostCoffee」

 

 

自宅用の機器として注目したいのは、タイガー魔法瓶から2023年に発売される予定の自動サイフォンコーヒーシステム「Siphonysta(サイフォニスタ)」※2022年9月〜アメリカで先行販売。

一般的なコーヒーメーカーは上からお湯を注ぐドリップタイプが中心ですが、同商品はコーヒーの粉をお湯に浸けてコーヒーを抽出する浸漬式。企業担当者曰く、「お湯を粉全体に浸けるのでコーヒーの旨味をしっかり出せます」とのこと。これまでもいくつかサイフォン式のコーヒーメーカーは他社から販売されていたそうですが、これは機材の洗浄が手軽なことも魅力の一つとのこと。使用するコーヒー豆や好みによって淹れ方を10通り選ぶことができます。

 

 

サステナブルな面や、多様性のあるメニュー展開のため、最近は都内でもオーツミルクやソイミルクを取り扱うカフェやコーヒーショップが増えています。パッケージがおしゃれなオーツミルク「マイナーフィギュアズ」やソイミルク「ボンソイ」などを店頭に並べるお店も多いですが、最近は日本初上陸の商品もいくつか登場しています。その一つであるオーツミルク「OATSIDE(オーツサイド)」は、「シンガポール発の企業で、オースラリア産のオーツ麦を使用したオーツミルクです」と企業担当者。何も混ぜずに試飲しましたが、ほどよい甘みとナッツ感のある味わいで、クセが少なくコーヒーとも相性が良さそうです。

 

 

全国の自家焙煎コーヒー店などが出展する「Coffee Village」のエリアも、毎年人気を博しています。コーヒー好きな人たちは、ここを主目的に来場する人も多いのではないでしょうか。地方の人気店など、普段東京では飲めないコーヒー店のコーヒーが無料で飲めます。出展しているのはコーヒー店以外にも、カフェモカなどに使用するクラフトチョコレートやシロップ、業界紙の企業も。ここに行くだけでも入場料1,200円の価値があるかもしれません(招待券があれば入場無料)。

おしゃれさでも目を引くコーヒー豆のパッケージ

 

 

こちらの商品は血流を良くする7つのオーガニックスパイスを使用した生姜シロップ、「薬膳ジンジャー」。砂糖無使用ですが、甘味のあるラカンカが入っていて甘さは十分。豆乳やお湯で6倍に割って飲むのですが、これが美味しい!愛知県の企業が販売しているそうで、都内では渋谷にあるコーヒースタンド「(カラス)」で購入可能とのこと。1瓶4,320円とけっこういいお値段ですが、買ってみる価値はありそうだと思いました。

スペシャルティコーヒー業界を牽引する丸山珈琲は、今年も大きなブースで出展

 

ドトールが運営するスペシャルティコーヒーショップ「神乃珈琲」

今年は出展側の大きな変化については特に感じなかったものの、来場者側の熱の高さを強く感じました。コーヒーがより多くの人から注目されれば、その分コーヒー業界も飛躍的に進化します。そして、その相乗効果は当分続きそうに思いました。今年はすでにカフェやコーヒーショップの新規出店が多いですが、これから面白い店がたくさんできてくるのではないかと一消費者としても期待が持てるイベントでした。

 

◆SCAJ2022
https://scajconference.jp
2023年度の開催は9月27日(水)〜29日(金)予定

 

 

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